2007-12-16 -TZALIK- in Thor |
☆モンスターサイドストーリーズ 第7話 続き 語り部さんと本の魔法でとばされた書庫は、暦を見れば今からずっと昔。 そこには5人の人物が存在していたのです。 まずは優等生、ドイル君。成績優秀なのですが、読書や研究に没頭すると周りの声も耳に入らないほどの超集中が玉に瑕。 夢はモンスターと人間、争いのない平和な世界の実現。 お互いの意思疎通の方法などを研究しているようです。 そして、同じ夢を持つ少女、エレン。 同じ理想と目標を持ち共に研究していく中で、どうやら自然発生的に恋人同士になっていたようです。 クラスメイトのローザ。いわゆるおっとり天然お嬢様キャラ。 ぽわわんとした雰囲気ながら周囲の人間のことはよく見ているようで、個性的なキャラクターの集まるクラスのバランスを保ってるみたいです。 お調子者で自称問題児、ハンス。それでもドイルともウマは合うらしく、先生がドイルばかり気に掛けてても逆恨みしません。カラッとしてて前向きです。 語り部さんのキオクの中で唯一の教師、ジオーマ氏。 学園始まって以来の秀才と呼び名の高いドイルに特に期待を掛けているようで、他の生徒への指導は後回しになっているようですね……。 |
……と、ここまで人物紹介してきましたが、時間の前後する複数のページを行き来して登場人物たちと会話し、語り部さんの記憶をたどっていくことになります。 MSS第1話のマミーのお話のようにいいお話ですのでぜひプレイして頂きたく細部までの掲載はしませんが、ネタバレ大筋としては……、 ・モンスターと人間が平和に暮らせる研究をするドイルと、恋人のエレン。 ・時には仲間として、時にはライバルとして研究を続けるハンス。 彼が研究を続けるのにも深い理由がありました。 ・先に研究の成果が現れたのはハンスでした。魔力はまだ小さいながら、過去へ戻る力を持つ石の欠片を完成させます。 ・次いで、ドイルはハンスの石と合わせることによって過去へ戻る魔法になる本を実現します。時間をわたるというプロンテラの法力でもなしえなかったことを、複数の魔具に分散させることによって実現しようとしたのです。 ・同じ頃、ドイルの誕生日が近くなってきたこともあり、ハンス・エレン・ローザの3人はドイルに内緒で誕生会を行う計画を立てます。 それぞれがプレゼントを持ち寄って、……エレンからは「モンスターと人間が彫刻されたペンダント」が贈られるようです。 ・誕生日前日。ドイルと会話していると、彼は先生に呼ばれて行ってしまいます。 ・誕生日当日。ドイル失踪。先生もまた姿を消しました。 ・誕生日の翌日。エレンもまた、ドイルを追って飛び出していったとのこと。 残された図書館で悲嘆に暮れるハンスとローザ。 ・新たに出現した最後のページに飛び込むTZALIK。そこで―― ・先生がドイルを呼びつけ、姿を消した理由は彼の研究の奪取のようです。 それがため、先生は魔法を、ドイルに…… ・人としての自我と意識が薄れ行く中、ドイルは絞り出すように告げます。 ドイル : エレン、僕から離れて…… ドイル : このままでは、君まで傷つけてしまうかもしれない…… エレン : ……っ。 エレン : それでも…… ――――それでも、この手は離さない! その直後、ドイルが諭すように穏やかに、自分はモンスターの側から平和を模索するからエレンは……と慰めている最中、一度苦しそうに呻いて、おそらくはそのままキオクがぷつりと途切れたのでしょう、この世界が歪んで。 気がつくと、現在のゲフェンに立っていたのです。 |
私が過去に戻ることで少しずつ記憶を取り戻し、大切な人や仲間がいたことを思い出した語り部・ドイル。 今から過去を変えてしまえば! ……と焦るTZALIKを余所に、やはり穏やかな表情で、世界に与える影響を考え押しとどめた人間・ドイル。 彼が人の心を取り戻すたびに少しずつ魔力が失われ、おそらく次が最後。 おもむろに持っていた本のページを一枚千切り、何かを書き付けると「これをエレンに渡して、僕が無事でいたことを知らせてやって欲しい」と頼まれました。 もちろん、断る理由なんてありません。 ふたたび過去にわたったTZALIK。そこで、窓の外を一人眺め、放心しているエレンの姿を見つけました。 彼からの手紙に目を通すと、大事そうに抱きかかえ、安心したように「ありがとう」と……。 彼女は私がドイルの居場所を知っている――両者をつないでいる――存在だと気づいたのか、「これを彼に渡して」と差し出したのはペンダント。 渡せなかった誕生日プレゼントです。 「一緒に頑張ろう、って。二人で絶対に夢を叶えようね」という言葉と共に。 去り際、未来から魔法の力を得てここに来たのだ、と明かすTZALIK。 エレンはそんな突飛なことにも、「どこか不思議な雰囲気があった」と納得の様子です。 そして最後に―― 立ち去ろうとする私の背中に、ポツリと掛けられた問いかけ。 一瞬凍り付く。 だけど、ドイルやエレンの気持ち、そしてマミーやバドンやマリオネットたちの気持ち……それらを思い出すと…… 私は溢れそうになる涙を堪えながら、必死に笑顔を作って、 TZALIK : ――もちろん! 「それを信じていた」というように、エレンは満面の笑みで、踵を返した私に手を振っていたのでした……。 モンスターサイドストーリーズ
第7話「それでもこの手は離さない!」 完 |
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