2007-11-15 -TZALIK- in Thor


 ☆モンスターサイドストーリーズ 第6話 続き

幻

 夢だったのか? 幻だったのか?
 乾いた風の吹き付ける音がたったひとつのBGM。

先生が

 先生は疲れ切った様子で大きく息をつきながら、ローラのそばにやってきました。腰を下ろす場所を探して見るも流木のひとつも見つからず、そのままぽつりぽつりと……

夢の中へ

 どうやら夢ではなく幻の方だったようです。

一目見たその時から

 だから、少しの人付き合い――礼儀を知ることによって、本当は簡単に仲間に受け入れてもらうことは出来たはずだった。

そして贈り物でもある

どうしてってそれは

 ランターン先生はどこか寂しそうに微笑んで……

あるはぐれモンスターの恩返し

 そう、あのとき。
 ニブルヘイムに迷い込んだモンスターをローラが助けたことがありました。

 そしてその時、本当は優しい心の持ち主であったことを知った先生。
 自分のせいで、仲間からはぐれてしまったのではないかという後悔。

すべての終わりそして始まり

 と、ローラの手からレディ通信簿をひょいっとつまみ上げると、



物質ではなくシンボル

ある意味、本当の意味での通信簿

 ……そう。最初はお礼を言うことすらなかった。
 感謝の気持ち、素直な気持ちを表せるようになれば、また仲間のもとにもどれるのではないか、と。

 また『魔法の教養書』も、当初言われていたほどの効果もなく、しかし、ローラが自分で身につけた教養に自信をつけるアイテムだったのです。

(*ノノ)

 ('-'*)ゞ エヘヘ



 そしてもう一つ。

招待客

 この二人も夢ではありませんでした。二人にとっては夢のような出来事かもしれませんが、いま目の前にいるローラは目が覚めてもここにいるローラなのです。

それもおもいでに

すなおになればそれでいい

 いつしか、自分を魅せたい! と思っていたローラもこんなに素直に。
 相手のことを考えること、礼節を持って接すること、つまり嫌われないこと。

 モンスター三人の話は弾み、はた目に見ていてももうなんの問題もないでしょう。
 ふと、私はつつと先生のそばに寄って小声で「どうして人間の手を借りたの?」と聞いてみました。

 ランターン先生は満足そうに三人の様子を眺めながら、

 「あの子は人と協力したことがない。
 誰かと協力することで、その重要性を学んで欲しかった」
のだそうです。

そしてお別れ

 ランターン先生が用意した、舞踏会よりも素敵な舞台はもうお開き。
 みんな、もといた場所へ帰る時間がやってきました(/_・。

夢のような世界から、夢のような未来へようこそ

真理

 そして、月のリフトの上から伸ばされた手を、私もきゅっとつかむ。
 小さくて、温かくて、やさしい手。

ばいばい

 またさっきみたいに、景色がぶれ始めた。
 今度は私以外のすべてが暗く、薄く……

 そんな中、ローラが手を振っているのが見えて――

 ――何も見えなくなった。



 人間の世界に戻ってきたTZALIK。その足で、久々にたまり場に……。

 短くて長いような時間でした。

 が。

 イズルードでローラに会い、先生を捜し回り、一緒にダンスの練習をして、ニブルで大名行列を横切って成敗され(違う)、すべてを見届けて、砂浜の風に晒されて……

 そのままの姿でやってきた私を、ギルドの人たちは笑いながら言うのです。

 「もっとレディらしくしたらどうだ?」

 ……ええと、誰か、レディ通信簿ください。゜゜(ノ□`)゜ ゜。

おしまい


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