2004-09-08 -TZALIK- in Ragnarok


 忘れ物はないですか?

 ハンカチ持って、ティッシュ持って、お弁当もカバンにつめて。

 ちゃんと準備して家を出たはずなのに、ふいに足を止めて振り返る。

 忘れ物じゃ……ない。

 おいてきたモノはありますか?

 TZALIKはありますよ。

TZALIKにとってのはじまり

 2002年3月。まだ世界が狭かった頃。
 プロンテラ大聖堂には多くの人が集まり、談笑し、まさに安らぎと憩いの場としての教会の風景がそこにありました。
 てこてことノービスさんがやってくると、みんなおしゃべりをやめ、アコライトはそっと立ち上がり整列……。
 大聖堂。荘厳な静寂。――司教の祝福と洗礼に頷いたのを合図に、高らかな鐘の音が鳴り響いたものでした。

 ごらんの通り、TZALIKもその一人です。
 その中の一人、先輩アコライトさんからそっと手渡されたものがあります。

まだスロットなんて概念も無かった頃の

 当時の、スロットもない普通のビレタ。150zで買えた普通のビレタ。
 それでも、TZALIKはそれを大事にかぶっていたのでした。

 ――。

 2002年12月。ベータテストという試験期間を終えて、この世界が正式なものになったとき、全てのアイテムは手元から消えてしまいました。
 もちろん、私が授かったビレタも一緒に。
 しばらくそれで落ち込んだものですが、こう考えることにしました。

 "モノ"としてのビレタから、"ココロ"としてのビレタへ。
 きっとそういう風に昇華したんだろうと思います。

 新しいビレタを買ってきて、頭に載せてみました。
 あのときと同じじゃない、自分のビレタ。
 でも、あのときの鐘の音が聞こえたような気がします。

いまもあのころの

 いま、大聖堂にはかつてのような喧噪はなく、ただ静寂。
 呼びかける声もなく、呼びかけられる人もまばら。
 静謐の中で祈りを捧げ、誰もいない聖堂をあとにするとき、ふいに足を止めて振り返る。

 忘れ物はないですか?

 忘れ物じゃ……ない。

 おいてきたモノはありますか?

 ココロの中に、ひとつだけ。
 あのときのビレタ。

そしていまもつづいている

 新しいビレタは、
 あのときの音がきこえるビレタ。

 TZALIKは、ROプレイヤーが持っているそんな思い出を応援します。


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